ヴィジョン
トム・ブラウン・ジュニア


これも、グレートスピリットからの警告とちょっと似た話で、アメリカ先住民のグランドファーザーを師として、学んでいく話。
ただし個人的には・・こっちの方がはるかにすごい!
つまり、ものすごく実践的で、ただの禅問答で終わって無いところがすごい!



この師となる人は、リパン・アパッチ族の小さな一族に生まれた人で、1870年代、先住民たちが、保留地に完全移される前頃に アメリカ南西部に生まれ、シャーマンであり戦士であった曾祖父に育てられ、一族と共に追跡も不可能な砂漠と山ばかりの土地を 点々としていた一族らしい。

彼らが、白人からの追跡を逃れ、過酷な砂漠や山で、誰にも発見されず、自由に生き伸びられたのは、優れた「古代の技術と自然の知恵」 を持っていた部族だったからのようだ。
しかも、先生となる、グランドファーザーは、子供のころから、非常に秀でた才能を発揮し、しかも修行を積んで若くして、 グランドファーザーの称号を与えられた人。
(グランドファーザーとは、すべての技術をマスターし、特に秀でた人に与えられる称号)
そして、彼は、自分の部族を離れ、天命に従って何十年もアメリカ大陸を一人でさ迷い歩き人々を助けてきた。
そんな中で、6歳のトムと出会いグランドファーザーは、10年かけて彼に自分のすべてを伝授する。

さて、その内容は、

サバイバル・・どんな過酷な自然の中でも、人間の作った道具を一切持たずに、何日でも生きられること。
トラッキング・・動物でも足を取られる難所でさえ、ものすごい速さで走り、遠くまで行きつくことができる。
ストーキング・・動物の足跡を追い、忍び寄って触れることができる能力、 どんな、どうもうな動物だろうと敵対している騎兵隊であろうとキャンプ地をつきとめ、姿を知られず忍び寄れること。
アウェアネス・・自然を深く認識し、鋭く意識、知覚する能力であり、一目で、はるか遠くまで、すべてを観察し把握する能力

大きくわけて、基本はこの4つで、これをマスターしたものが、スカウトとなれる。
**スカウトとは、敵から部族を守る集団の戦士。
スカウトは、自分自身を守るためだけでなく、一族が生き残るためにも、スカウトのこういった技術が必須の条件として求められた。
おそらく、優れたスカウト達がいた為に、彼ら一族は、不毛な土地で白人の追跡を逃れて生き残ることができたのだろう。
有名な、アパッチ族のジェロニモも、かつてはこのスカウトだったとの事です。
彼らは、これらの能力に精通し、シャドウウォーク(影の歩き)やスピリチュアルな方法で、姿を消すことも出来たそうです。
まるで、ちょっと・・忍者の修行とも似てるかもしれませんね。
そして最後に、「ワンネス」(一つになることで、存在するすべてのものは、すべて1つに繋がっているという考え方)を学び、 シャーマン・ヒーラーとなる。
真のシャーマン・ヒーラーというのは、ここまで修行し習得したものでなければ、なれないんですねえ。

さて、トムは6歳のときに、このグランドファーザーと出会い、10年間、彼から、すべての技術を学んだ。
そして成人した後、トムは、トラッカーとして警察が探せなかった、行方不明者、誘拐された子供、被疑者を探し出したり、 あらゆる分野で、数多くの貢献をしています。
また、彼はトラッキングの学校を作り、多くの人がそこで、学べるようにもしました。
日本から、漫画家・作家のさくらももこさんも、体験入学で、スタンダードクラスを取ったとの事でした。

・・・・・・

下記は、本文からの抜粋です↓

昔、社会が私や友だちに教えたように、子供たちはもっとも多くの人々が歩いている道の上に立たされ、 まやかしの目標を追い、「こうするべき」という外部の指示に従って生きていた。人々がそのような目標の奴隷となり、 社会が求める人間となるために、心の奥底に持っていた想いを捨てていくのを目撃した。

社会は、子どもたちに、名権や、幸運や、権力を手にすれば、大きな家、高級車、高い地位、 そして大口の預金高を手に入れることができると叱咤する。

私は、創造の知恵を通して、人間は本来たった4つの仕事をするために、生きているということを学んだ。
それは、平和・愛・喜び・そして、生きる目的で、いくら外に求めても見つけることはできない。
それは心の中に見出すものなのだ。

「自分は幸せだろうか?人生は強烈で、冒険や興奮や至上の喜びに満ちているだろうか?
自分の心は平和と愛と喜びと目的で満たされているだろうか?」
もしそうでなかったら、あなたにはヴィジョンが必要だ。


<< 前のページに戻る

inserted by FC2 system