パワーストーンを知るための講座〜

1.石について

石は大きく分けて2つ、無機質のものと有機質のものに分けられる。

無機質
  1. 鉱物質 天然物質であるが、動物、植物のように生活機能をもたない。
    物理的、科学的性質がどの部分でも均質で大部分が結晶質のもの。
    ・・ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、等。
  2. 岩石 一種類、または多種の鉱物の集合したもの。・・トルコ石、ラピスラズリ、マラカイト、めのう、等
  3. 非晶質 結晶構造をもたないもの。・・ オパール、黒よう石、硝子、等。
有機質


2.天然石の成分

宝石を構成している基本的な成分は、炭素やアルミナ(酸化アルミニウム Al2O3)、石英(せきえい、クォーツ)は二酸化ケイ素 (SiO2) が結晶)などの元素。
これに少し他の元素が加わり鉱物が形成される。



3.宝石の条件とは

  1. 比類なく美しい
  2. 普遍の耐久性
  3. 希少価値


4.貴石と半貴石

JJA(社団法人 日本ジュエリー協会)及びAGL(宝石鑑別団体協議会)の「宝石もしくは装飾用に供される物質の定義および命名法に関する規定」というものがあり、その中で、
『「宝石」とは、自然物質のみのを指す用語であり、人工生産物に対しては用いないこと』
と、定められている。」



5.硬度による分類

摩耗やひっかきに対する抵抗の度合い。ダイヤモンドを10として硬さの順位を示すモース高度で分類される。
それによって、高い価値観のある貴石と、半貴石に分類されるが、基準結構はあいまい。

貴石precious-stone

No.1宝石といわれる、ダイヤモンド(なんたって硬度10だからねえ)
三大貴石:ルビー、サファイア、エメラルド
上記に翡翠(ヒスイ *本翡翠のこと)を入れて、五大貴石
さらに、スタールビー、スターサファイア、キャッツアイ、ブラックオパール、アレキサンドライトで、十大貴石

硬度で区別
一般的に硬度(硬さ、耐久性)が7以下のものが半貴石として、貴石とは区別されている。
10大貴石の下に位置づけされた宝石全般を指し、「貴石以外の宝石(石)」のことを半貴石/ と呼ぶ。
高度7以上のトパーズ、ジルコン、アクアマリン、キャッツアイ、トルマリン、ガーネット、ペリドット等。
高度7以下ではあるが、その美しさから、ヒスイ、オパールも貴石として扱われる。
まあ、その分類はあいまいなとこもあるってことらしい。



6.「天然石(天然宝石)」の定義

JJA(社団法人 日本ジュエリー協会)及びAGL(宝石鑑別団体協議会)の「宝石もしくは装飾用に供される物質の定義および命名法に関する規定」というものがあり
その中で、
『「宝石」とは、自然物質のみのを指す用語であり、人工生産物に対しては用いないこと』と、定められている。
人的手段無く自然界で生成された物質(鉱物、岩石、有機物)と人工生産物は区別する・・ということで、元が天然石であれば色・外観の処理(人工処理)がなされたものは宝石に含むということです。
もっとも、宝石・ジュエリーとして売るには外見は一番に大事なものなので人口処理もやむをえないって事でしょうね。

人工処理は石のウィークポイントを補強するためや、より美しさを引き立てるために施されます。

たしかに天然のものこそ傷が入ってたり、色がぼやけてたり、そのままでキレイなものは少ないです。
ただし、天然由来の鉱物・岩石・有機物質であることが大前提で、そうでなければ「宝石」という言葉を使ってはいけないそうです。
そして、どんな加工をしてるのか、ちゃんと表示する義務もあります。

さて、石は発掘してきてから、それを好きな形にカットして磨いて出来上がり!・・・ではない!
まず、原石を少しだけ磨いて表面をなめらかにしたもの(そのため、形は色々あるけど。)それを、ルース「裸石」または「タンブル」と呼ばれる。これは、指輪やネックレスなどへの加工前の状態というわけです
。 もちろんそのままの状態で売っているところもあります。
または、石の改善処理をして売ってるってこともあります。



7.石の処理方法

その処理方法について、宝石としての定義の中で認められている人的処理・人工処理は、エンハンスメントと言われる。それ以外の認められないのは、トリートメントと言われる処理。

エンハンスメント

天然石が本来持っている性質に合わせて、それを損なわない範囲で人工処理を施すもの。
なんで、そんな事をするのか?・・もちろん見た目をきれいにするため、と、石の持ちを良くするため。
たとえば、石の色合いが薄いものを加熱処理をすることで、鮮やかな発色にしたり、もろい石をコーティング(皮膜)して強度を増して持ちをよくするなど。

具体的には、こんな処理・・加熱処理、拡散加熱処理、含浸処理、充鎮処理、着色処理、脱色処理、放射線照射処理、コーティング/ペインティング処理、レーザードリリング、高温高圧プロセス、その他。 *これらのような人工処理が施されている場合は、鑑別書・ソーティングメモにその方法と目的が記載されなければならない。
(しかし現状では、ちゃんと記述されてないことも多い。とくに宝石扱いされないパワーストーンなどはなんかはね〜。)
さて、ここまでが、なんとか「天然石」と呼べる境界線。

トリートメント

ここからは天然石とは呼べないものになる。

たとえば、人気の翡翠、ちょっとぼやけた色をしていた場合、薄緑の人工染料を使って色をつけてしまったら、それはもう翡翠ではなくなってしまう。
自然に持っている色がくすんでいるいるため、熱を加えることで、きれいに発色させて鮮やかにしてあげるならば、それは、エンハンスメントになる。
もちろん、本来のパワーもまだ宿ってる可能性は高い。 ところが、粉々に砕いた石を人口塗料で色づけして練りなおしたり出来そこないのアメシストを黄色で染めてシトリンとして売りに出したら、それは明らかにトリンの偽物でなり、本来のアメシストでもなくなってしまう。

日本は特に、エンハースメントやトリートメントなどの技術は優れていて、プロでさえ見た目ではまったくわからないようなものが多くあるようです。



8.人工生産物とは

ここで言う人工生産物とは俗に言うイミテーション(代用品・ニセモノ)。
大きく分けて下記の3つがある。
これらは天然石に人工処理を施したものとは違い、宝石の代用品であることが目的であったり、宝飾・装飾用に使用されることを目的とした、自然ではないもの、人の手によって作られたもの。

合成石(Synthetic stone)
合成石とは、真似る元の石とほとんど、あるいは全く同一の内部構造を有する一部あるいは全部を人工的に育てたものを指す。

化学的・物質的な特性が同様に作られているため、本物ととてもよく似ている。

ラボ(lab=「研究室で作られた」を意味するために接頭語に置いてる)・アレキサンドライトやシンセティック(synthetic=「合成された」を意味するために接頭語に置いてる)・エメラルドなどと記載される。
ベルヌイ法という合成方法がポピュラーな方法で、ルビーやアレキサンドライトなどの高価で価値の高い宝石の代用品(いわゆるニセモノ)に多く見られる。
高価で希少価値、人気のあるものは偽物も多く作られることになり、それはパワーストーンも同様。

人造石(artificial stone)

人造石とは、天然には同様なものが存在しないのに、その一部もしくは全部に真似る元の石の特性・構造を持たせて人工的に造ったもの。
CZ(キュービック・ジルコニア)やYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)などがそれ。

模造石 (Imitation stone)

模造石とは、天然石の外観や質感を模倣して作られたもので、特性や構造がほとんどの場合全て異なる物質で作られたもの。
一部天然素材を用いて構造を真似ることもある。
スワロフスキー(ガラス)や、チェリークオーツ(ガラス)などは模造石font-size: 10pt;color: #000066;に入る。
プラスチックや樹脂などで作られたものや、ターコイズによく見られるプレスされたもの、シェルなどに見られるプラスチックや違う鉱物を張り合わせて作るダブレット等も模造石。

*とにかく科学と技術の発展によって天然石によく似た、非常に高度な人工生産物が増えているのも確か。
そして、天然以上に美しくまた丈夫で割れにくいものが多く出回っている。

そこで人工生産物と宝石を見分けるためにあるのが、鑑別。
自然界で生成された天然のものであると鑑別された場合、必ず「天然○○」の接頭語が表示された上で、鉱物名が明記されなければならない。


9. 鑑別書とは?

鑑別士の資格者によって発行される書類。
この資格は国家資格ではなく、各国の宝石学協会からの称号の形で与えられ、一般的に日本では、全国宝石学協会CGA、 英国宝石学協会FGA、 米国宝石学協会GCが有名。

アメリカやイギリスでは3年間みっちり学校に通い、試験にパスしないと鑑別士の資格はとれません。
一方、日本は比較的簡単に取れるという話もあります。

鑑定を依頼する場合は、もちろん個人でも依頼はできます。しかし現状では、鑑定するのに非常に難しい石もあり、それなりの器具や装置も必要なため協会に頼む方が一般的になってるようです。

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